幸せを呼ぶ認知症 ~認知症の父との会話メモより~

認知症だった父の言葉です。どんなにパニック状態でも話していると次第に落ち着き、これからの人(祐子さん)に向け、愛と情熱をこめ話してくれました。それらの言葉は忘れてはいけないと思い数冊のノートや紙切れに記録しています。認知症は大変だけれど、不幸ではない。これらの言葉があなたの人生の助けになりますように…

愛は時空を超えて循環する

認知症の父は

 

認知症なので

 

昨日言ったことは翌日には忘れる

 

父とこうして電話で話せるのもいつまでかわからないので

 

毎回のように同じ話をする

 

それは

 

私が物心ついてから今日まで

 

父が私や子供たちにしてくれたありがとうの言葉

 

「幼いころ私と遊んでくれてありがとう」

 

「手作りのケーキを誕生日やクリスマスに作ってくれてありがとう」

 

「子供たちを動物園や海や川や施設に連れて行ってくれてありがとう」

 

その他思いつく限りの「ありがとう」を父に言う

 

「おー!そうかぁ」

 

 

まるで初めて聞いた話のように

 

いつも新鮮な驚きをもって父は言う

 

認知症なので…(笑))

 

話していると

 

父に今までしてもらったことは沢山あるなーと

改めて思う

 

そんな嬉しそうな父を感じて

 

私も嬉しくなる

 

私も子供たちも父に愛されていたなぁとしみじみ感じる

私は認知症の父に少しでも楽しくいい気分になってほしくて

 

沢山の「ありがとう」を言う

 

父は今の私の愛を感じてくれていると思う

 

でもね

 

私がこんなに「ありがとう」を言えるのは

 

私がこの世に誕生してから今まで

 

父がたくさんの愛情を注いでくれたから…

 

過去の父の愛情が今の私の愛情を深め

 

その愛を感じて

 

今の父と私が愛情を深める

 

「愛のエネルギーはめぐるんだなぁ」

 

それは丁度

 

螺旋を描いて広がっていく銀河のようだと感じます

 

宇宙は外側だけにあるのではなく

 

心の中にもある

 

 

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photo by Takumi