幸せを呼ぶ認知症 ~認知症の父との会話メモより~

認知症だった父の言葉です。どんなにパニック状態でも話していると次第に落ち着き、これからの人(祐子さん)に向け、愛と情熱をこめ話してくれました。それらの言葉は忘れてはいけないと思い数冊のノートや紙切れに記録しています。認知症は大変だけれど、不幸ではない。これらの言葉があなたの人生の助けになりますように…

魂が喜ぶ

認知症の父とたくさん話をした。

 

ありったけの自分で話をした。

 

誰よりも話が通じたことに驚いた。

 

思考というノイズをなくし魂と魂で話す。

 

そんなことが認知症の人とできるなんて思ってもいなかった。

 

父はいないけれど

父の言葉は沢山のメモの中で活きていて

開けば父のスピリットが息づいている

 

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こんな話ができることが嬉しい

 

色々方向が出てくる

 

祐子の言葉聞きよったら励ましに思う

 

自分が自分を育てる

 

祐子みたいに純粋に言うてくれる人がおらん

 

今は深まることはない

 

祐子の話聞いて、そうだなぁと思うこともある

 

魂が喜ぶ

 

その通りじゃ思っていることがピタッとくる

 

学んだことが沢山ある

 

自分を励ます意味が沢山ある

 

身体に響いてくるものがある

 

そこから膨らんでいく

 

得るのもが沢山ある

 

祐子が素晴らしいからその通りに思う

 

電話で意識が戻る

 

なんか気持ちよくなる

 

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お父さん、私もそうだったよ。

 

やっぱり、会いたいなぁ

話すことは大事

認知症の父と話したメモを読み返す度

 

正直、信じられない。

 

時計もロクに読めない人と

こんなに、心を通わすことが出来るのか、、、と、、、

 

これは、本当にあったことなのか?

 

幻じゃないか?

 

と、すら思うんだけれど、

メモは確かにあって

 

その時の父と私は確かに

心を通わせていた。

 

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(祐子との)電話で意識が戻る

 

深いものがある

 

胸を打つようなものが、、、

 

祐子も鋭いもの持っとるけん

 

祐子と話したら響くものがある

 

話すことは大事

 

その人その人の考え方があるから

それ聞いて のみこんで 役に立つこともある

 

何よりもええよ

それが聞けるのはありがたい

 

色々聞いたら本当に嬉しい

 

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お父さん、私も嬉しかったよ

 

ありがとう

 

 

 

エール

何度か徘徊し

警察に保護されて

施設に入る直前の父の言葉です。

 

心の故郷を求めて彷徨っても

電話で話すと

父はここにいました

 

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あなたはこれからの人じゃ。

 

いろんなことで

あなたはこれからじゃ。

 

 こんなに話聞きよっても楽しい。

 

『これからがんばるぞー』

という気持が

 

うおーんと

出てくる。

 

だからがんばれ!という気持ち。

 

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今の私にも

お父さんのうおーーんという気持ちが伝わるよ

 

ありがとう

自分を考えさせられる 新しいものを見つけることが出来る

認知症で失っていくものが日々あったけど

認知症になったからこそ

輝く瞬間がありました

 

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祐子も鋭いものもっとるけん

祐子と話したら響くものがある

話すことは大事

その人その人考え方があるから

それ聞いてのみこんで 役に立つこともある

何よりもええよ

それが聞けるのはありがたい

色々聞いたら本当に嬉しい

理論だけやったってなかなか進まん

自分を考えさせられる

新しいものを見つけることが出来る

祐子とじゃったら思ったこと正直に言える

 

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まだまだこれからじゃけん( 認知症の父との会話メモ~2015年5月~)

帰省時に

駅まで送ってくれると言う

帰りの時間を心配して

けれども、覚えていられないので

1分おきに母に

「今、何時ぞ」

と、きいていました。

不安と不穏で一杯の中、父が言った言葉たちです

 

 

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やる人間ということは分かる

 

まだまだこれからじゃけん

 

祐子じゃったら大丈夫じゃ

 

 

 

 

 

 

 

 

嬉しいよ( 認知症の父との会話メモ~2015年6月24日~)

ひとりやったら孤独感出てくる

 

横にばあさん(母)でもおったら全然違う

 

食事やってもらうだけでありがたい

 

祐子がこんなに話してくれるから

元気が出るから

嬉しいよ

 

祐子ががんばっとることも

嬉しいよ

 

それが自分の励ましになる

 

祐子がおってくれることが

嬉しい

 

祐子の声聞けて

嬉しい

 

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つつじとお弁当( 認知症の父との会話メモ~2015年5月1日~)

51

 

2014年末頃の父の様子はこちら 

 

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冨士山

つつじ

タクシー

弁当

 

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この日は短く、しかも、単語だけ

余程、調子が悪かったんだと思います

 

かろうじて、言葉を紡いだのかな

 

冨士山というのは

5月になるとつつじがきれいで

母とタクシーに乗って

つつじを見に行き

そこで、お弁当を食べて

それが嬉しかったんでしょうね

 

どんなに調子が悪くても

ふと、楽しかった思い出として出るくらいに…

 

電話で話していた当時の私も

この話が出てきて

安堵したと思います

大丈夫もある(認知症の父との会話メモ~2015年4月26日~)

 2014年末頃の父の様子はこちら 

 

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ちょこちょこ散歩に行ったりした。

時々腰が痛くなる

大丈夫もある

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このようにメモが短い時は父の調子が悪い時です

 

もの盗られ妄想や不平や不満やマイナスのエネルギーで満ち満ちている時

それでも、ただただ耳をすまして

父の本質が現れるのを待つ

 

そして、素直な父が現れたのがこの3行だと思います

 

 

 

 

 

風邪ひいたら自分を優しくするしかない(認知症の父との会話メモ~2015年4月22日~)

 2014年末頃の父の様子はこちら 

 

風邪をひいたら自分を優しくするしかない

 

これ以上は悪くならんようにしよう

 

 

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今の自分を生きていく(認知症の父との会話メモ~2015年4月18日~)

2014年末頃の父の様子はこちら

 

祐子らしいわい

祐子じゃったら一歩一歩やれる

 

雰囲気の中で盛り上げられたら

その中で自分が働ける

 

老後

仕事がないから本でも読んでぶらぶらしよる

 

昭和12年2月8日

2015-1937.2.8=78

(父に年齢をきかれて計算したのだと思います)

 

今の自分を生きていく

 

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ゆったりと自分で噛みしめながらやったらいい(認知症の父との会話メモ~2015年4月12日~)

 2014年末頃の父の様子はこちら

 

これはいい環境な気がする

いいグループができとる

(コーチングの個人セッションで複数のクライアントとの

 嬉しかったエピソードを幾つか話したと思います。)

 

貴重ないいチャンスよ

そういうことができるのは非常に嬉しいことよ

祐子はいい環境におらい

 

祐子に刺激受けとる

声を聞いたら力が湧くし

祐子じゃったら力もっとるけん上等よ

 

気をつけてゆったりやれよ

 

受け入れる力もあるし

やろうとする力もある

 

私は嫌な時裏道散歩する

祐子に教えてもらったこともある

(一緒に散歩して、瞑想したこともあります。

   説明した先からすぐ忘れて、困りました(笑)

  何となく真似してくれていました)

 

意欲の問題もある

 

ゆったりと自分で噛みしめながらやったらいい

 

 

 

 

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バラバラでも美しいものは美しい(認知症の父との会話メモ~2015年4月7日~)

 2014年末頃の父の様子はこちら

 

(「お父さん元気?」という私の問いかけに対し)

祐子の元気な声が聞こえとるけんのー

 

朝、夕暮れ  感じたり

 

それなりにそれぞれあるけん

 

まだまだ「み」

(メモはここで止まっていますが、父は「未来があるけん」

と言ったように記憶しています。

思わず、手が止まり、「み」という文字を▢でかこっていました)

 

バラバラでも美しいものは美しい

 

真っ盛りじゃなくても

綺麗な時は多い

 

さあ、どうかなぁ

気分的にええ

 

 

 

  

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父とよく散歩した 故郷の風景

 

 

一番嬉しかったんは…(認知症の父との会話メモ~2015年3月26日~)

 2014年末頃の父の様子はこちら

 

「ボケ」というように

認知症になると感情も鈍化するのかと思っていたのですが、

むしろ感情が純化されみずみずしくなっていて驚きました。

 

電話はもうかかってこないけど、

花が揺れてこぼれおちるような父の言葉から、

ひだまりのような暖かさを感じます。

 

【1番嬉しかったんは…】

 

散歩行った

 

一番嬉しかったんは 花が咲いとる

 

黄色い花

 

桜もつぼみがふくらんどる

 

春、咲く前になったら 電話するからね

 

今日は暖かかった

今日は散歩にでた

 

 

 

 

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祐子もぶつかって知識を増やせよ(認知症の父との会話メモ~2015年3月25日~)

 2014年末頃の父の様子はこちら

 

オムライス

 

月、水リハビリ

 

祐子もぶつかって知識を増やせよ

 

(この日は、この3行だけでした。

多分、父の状態が悪く、

父の言う「正常だった時間」が少なかったのだと思います。

それでも、最後は振り絞って父らしさが戻ってきてよかった)

 

父と散歩した土手の朝焼け

      ↓

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